ー本記事は旧ブログ2019年8月2日の内容をもとに、2025年版に更新していますー
ひまし油、聞いたことはあるけど使ったことはない、そんな方が多いのではないでしょうか?
その元となる植物さえはっきりと認識できないひまし油。
しかしそのオイルの90%を占める独特の成分による、他にはない効能を知ったとき、あなたも使ってみたくなるかもしれませんよ。
スー(@bacteria_suzu)です。
本日もお越しいただきありがとうございます。
我が家にはあります、ひまし油。
肝臓を癒す温湿布もやったことあります。
たまに、お腹が痛くなった娘が「お腹にぬって」と持ってきたりします。
そんなひまし油について、今回は歴史的観点からも掘り下げつつ、どのように人体に影響を及ぼしていくのかを解説していきたいと思います。
トウゴマから生まれるひまし油

ひまし油は、トウダイグサ科の“トウゴマ”という植物の種から作られるオイルです。
トウゴマの別名が『蓖麻(ヒマ)』というので、ひまし油と言われるようになったようです。
一見ただの観葉植物のように見えますが、実は古くから薬や美容、工業まで幅広く利用されてきた万能植物。
ここでは、そのトウゴマとはどんな植物なのか、そしてどうやってあの独特なオイルが生まれるのかを見ていきましょう。
原料となる「トウゴマ」という植物

トウゴマ(ヒマ)はトウダイグサ科の多年草で、大きな掌のような葉と、トゲのある実が印象的な植物です。
熱帯から亜熱帯でよく育ち、日本でも暖かい地域では観葉植物として見かけることがあります。
実の中には硬い種があり、これがひまし油の原料です。
見た目はマーブル模様の豆のようですが、この種には「リシン」という有毒成分が含まれています。
ただし、製造過程でこの毒性は完全に除去されるため、市販されているひまし油は安心して使える安全なオイルです。
古代文明から現代まで世界に広がるひまし油
ひまし油の歴史は、実はとても古く、古代エジプトにまでさかのぼります。
当時はミイラ作りの防腐処理や薬、肌を整えるオイルとして重宝されていたといわれています。
その後、インドやアフリカでも「体を整える自然の恵み」として広まり、アーユルヴェーダをはじめとする世界各地の伝統医療や民間療法に取り入れられていきました。
現在の主な産地はインドやブラジルなど。
特にインドでは気候がトウゴマの栽培に適しており、世界の約8割を生産している一大拠点となっています。
高品質なひまし油は医薬品や化粧品、工業製品にまで利用され、“万能オイル”として今も人々の暮らしを支え続けています。
古代から現代まで形を変えながらも、ひまし油が世界中で愛されてきたのは、そのやさしさと実用性のバランスが取れた“特別な油”だからかもしれません。
どうやって油になるの?──製法と種類
トウゴマの種から油を搾り出す方法には、大きく分けて「冷圧搾(コールドプレス)」と「精製」があります。
これは他の植物オイルと同じですね。
冷圧搾は熱を加えずにゆっくりと搾るため、栄養成分がそのまま残りやすく、自然派コスメやスキンケアに向いています。
一方、精製ひまし油は不純物を取り除いて透明度を高めたもの。
医薬品や工業用など、安全性や安定性を重視する場面で使われます。
どちらも「ひまし油」ではありますが、目的によって性質が少し異なります。
購入時には「冷圧搾」「精製」などの表示を確認すると、自分に合ったものが選びやすくなります。
ひまし油の成分と特徴──“ねっとり感”の理由
ひまし油を手に取ると、まず感じるのはその「とろり」とした重みですね。
ほかの植物オイルとは一線を画す、この独特の粘りには理由があります。
ここでは、ひまし油の主な成分と、その性質がどんな特徴を生み出しているのかを見ていきましょう。
主成分「リシノール酸」が生む独特の性質
ひまし油の約9割を占めるのが「リシノール酸(リシノレイン酸)」という脂肪酸です。
この成分が、ひまし油の“ねっとり感”と“高い保湿力”のもと。
リシノール酸は分子の構造上、水分をつかまえる力が強く、乾燥しがちな肌や髪をやさしく包み込むように守ってくれます。
また、粘度が高いため、肌にしっかりとどまり、「保護膜」のように長時間うるおいをキープしてくれるのです。
酸化しにくく、長持ちする安定性
植物オイルの多くは空気に触れると酸化してしまいますが、ひまし油はその中でも比較的“酸化しにくいオイル”として知られています。
これもリシノール酸の構造が関係しており、開封後も条件が良ければ半年〜1年ほど品質を保てるのが特徴です。
ただし、直射日光や高温多湿の環境では劣化しやすくなるため、冷暗所での保管が基本。
日々のケアで使う場合も、清潔な手やスプーンで取り出すようにすると安心です。
オイルの性質自体は酸化という反応を起こしにくいのですが、紫外線などの要因によっては劣化が進みやすいといわれています。
美容だけじゃない、ひまし油の多用途ぶり

ひまし油は、スキンケアやヘアケアに使われるだけでなく、医薬品や工業用潤滑油、さらにはインクや香料の原料にも使われてきました。
かの大戦中には航空機用エンジンの潤滑油としても重宝されていました。
その安定性と粘度の高さは、まさに“万能オイル”の名にふさわしいですね。
自然素材でここまで幅広い用途をもつ油は、実はかなり珍しく、古代から現代まで長く使われてきた理由がここにあります。
使う前に知っておきたいポイント
ひまし油は、自然由来でやさしいイメージがありますが、ちょっとした扱い方や体質によって、合う・合わないが出てくることもあります。
安心して使うためには、“天然だから安全”と決めつけず、基本の注意点をおさえておくことが大切です。
ここでは、使い始める前に知っておきたい3つのポイントを紹介します。
【保管は冷暗所で】酸化と汚れに注意
ひまし油は比較的酸化しにくいとはいえ、光や熱にさらされると品質が落ちてしまいます。
直射日光の当たらない冷暗所に置き、使うときは清潔な手やスプーンで取り出すのが基本です。
使いかけのボトルをそのまま洗面台に置いておくと、ホコリや湿気で劣化しやすくなります。
小さめの容器に移し替えて使うのもおすすめです。
目安として、開封後は3〜6か月を目安に使い切ると安心です。
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体質によっては合わないことも
肌が弱い方や、アレルギー体質の方は、まず腕の内側などでパッチテストを行いましょう。
特に、はじめて顔や体に使う場合は、いきなり広範囲に塗らないのがポイントです。
また、ひまし油には腸を刺激する性質があるため、内服(下剤)としての使用や妊娠中の使用には注意が必要です。
自然療法で紹介される使い方でも、体調やライフステージによっては控えた方がいい場合があります。
不安があるときは、信頼できる医師や専門家に相談しておくと安心です。
選ぶときは“目的に合ったタイプ”を
ひまし油には、「精製」「未精製」「オーガニック」など、いくつかの種類があります。
肌に使うなら、不要な成分を取り除いた精製タイプやコールドプレス製法のものがおすすめ。
美容や湿布に使う場合は、オーガニック認証や無添加表示をチェックすると良いでしょう。
一方、工業用・機械油として売られているものは、人の肌には不向きです。
同じ「ひまし油」という名前でも、用途によって品質が大きく異なるので、ラベルや説明書きをしっかり確認して選びましょう。
私が使っているのはオーガニック・コールドプレスタイプのこちら👇です。
匂いも気にならず使いやすいです。
まとめ:ひまし油は知ってから使うとより万能性が高まる
ひまし油は、一見ただの植物オイルのようでいて、原料・成分・性質のどれをとっても奥の深いオイルです。
古代から人々の暮らしのそばにあり、今もなお美容や健康の分野で愛され続けているのは、その力強さとやさしさが共存しているからかもしれません。
けれど、どんなに良いオイルでも、
「何のために、どう使うのか」
を知っておくことは大切です。
知識があることで、安心して自分や家族のケアに取り入れられるようになりますからね。
今回の記事では、ひまし油の“素顔”を中心にお話しました。
そのほかにもひまし油の関連記事は結構ありますので、ぜひご一緒に読んでみて下さいね!
👉【実践編】ひまし油温湿布のやり方とコツ
👉【実践編】ひまし油の好転反応!?
👉【効能編】具体的なひまし油の効能
少しずつ理解を深めながら、「なんとなく気になるオイル」から「自分で使いこなせる一本」へ。
そんなステップアップを一緒に目指していきましょう。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

